夏の旅 オーシャン東九フェリーと太平洋フェリー

Casual everyday is happy

今回帰省に伴い利用させていただいたのは、行きは徳島港から東京港をつなぐ「オーシャン東九フェリー」。帰りは仙台港から名古屋港をつなぐ「太平洋フェリー」。

オーシャン東九フェリーホームページより
オーシャン東九フェリーホームページより
  • 船名フェリーびざん・フェリーしまんと・フェリーどうご・フェリーりつりん
  • 総トン数約12,636t
  • 全長約191m
  • 航海速力22.4ノット(約時速40㎞)

東京港と四国徳島港をつなぐフェリー。以前も利用させていただいたことはあったのだが、その時も感想はとても良い◎。である。こちらは車での乗り入れから、ファミリーで一度に船に乗り入れることができ、規模も広すぎず。全てに置いて移動が楽にでき、とても快適。時期にもよるのかもしれないが、混雑もしていない。

共有スペースもレストランがない代わりに食品の自動販売機や電子レンジ、お皿など自由に利用できる備え付けが充実。お風呂もほぼ貸し切りで海を見ながら広い浴槽に浸かることができ、至福のひとときが味わえる。

東京港に到着してからは、フェリーに同乗していた車に乗り自由に行動が出来る。今回はお盆前の一足早い帰省を計画し、無事にお墓参りと実家でのひとときを過ごす事ができた。

帰省の際に楽しみにしていることの一つに「温泉」があるのだが、田舎の実家は温泉地だ。何処に入ろうか、と考えるもいつも大体同じご近所にお世話になる。そこは、源泉のお湯が熱くて印象的な温泉宿なのだが、いざ行くと扉に張り紙がある。

8月中旬をもって旅館を閉めるとの告知があった。

驚きと寂しさとこれまでの感謝と。

寂しさと、寂しさと…。

想いを巡らせながら、帰省中はそれを知って連日、名残り惜しむように通った。湯の流れ出るところ、湯気を見つめ心に刻んだ。初めて旅館の目の前の石段の上にある温泉神社の鳥居もくぐって、今まで気持ちの良いお湯をありがとうございますの感謝で、手を合わさずにはいられなかった。

始まりがあって、変化が訪れ終わりを迎え、新たなものが生まれるのはそのとおりだと思うが、これまで沢山の人々の憩いの場、癒やしの場を提供してくださった温泉と旅館の皆様も、明るい未来であってほしいと願う。今回その温泉に入れるのは最後になってしまった。そんなタイミングではあるが、幸いにもこの旅で訪れることが出来た事に感謝の気持ちで満たされた。

もう一つ、今回の帰省でやっておきたかった事、長年使うことのなかった口座の解約。現地でなければ少々手間がかかるので、これだけは済ませたかった。そして無事に解約。物凄い達成感だ。

忘れた頃に連絡を取り合う中学生のときからの友人がいる。帰省する際は連絡すると約束するものの、平日は友人も仕事や子育てもあるだろうし、こちらも久しぶりの帰省で、どう時間を過ごすことになるか定かではない為、帰省中であることを伝えられていなかった。

帰省最終日の前日、夕方に例の温泉に向かい名残惜しんだ後、せっかくの機会なのでその友人に会いに行くことにした。

お花を用意して、ちょっとしたお土産を手に持ち、一人で車を運転し友人宅に向かい、久しく通っていない道路を不安ながらもどうにか近辺に着いた。

記憶をたよりに周りをぐるぐるするもなかなか辿り着かず、いきなりでびっくりすると思ったが通話をして、友人宅近所の目印のお店で会うことが出来た。建て直し中で今は更地になっているとの事。今は仮の住居で出来上がるのを待っている期間だった。どうりでたどり着かないはずだ。連絡してから行かなかったのは悪かったが、何はともあれ会って渡すことができた。

今回の帰省でぼんやりと心に思っていたことが達成出来た。友人は早いうちにお母さんを亡くし、昨年はお父さんが病で旅立ったのだ。帰省する際はお線香をあげに立ち寄らせてもらいたいと思っていた。時間もなくお花を渡すだけになってしまったが、元気そうな友人に会って一言でも話すことができて貴重な時間になった。ほんの数分間。その夜は打ち上げ花火が上がり、帰り道は車を運転しながら見ることができた。

全ての範囲はできなかったが、よく育った実家の草取りも少しはできた。等しく時は過ぎ、人も風景もそのぶん経過していたように思いながら、移動や交流に制限をしていた昨今ではあるが、行動による現実的な人との触れ合いは老若男女、豊かな心を育む為には少なからず、必要な事なのだなと感じた。

旅も佳境に差し掛かり、今回の旅の楽しみに初めて乗る「太平洋フェリー」があった。行きと同じく東京港から徳島港をつなぐオーシャン東九フェリーで考えていたが、予約の都合により、帰りは仙台港から名古屋港をつなぐ太平洋フェリーを利用した。

太平洋フェリーホームページより
太平洋フェリーホームページより
太平洋フェリーホームページより
総トン数全長全幅最大速力最大出力旅客乗用車エレベーター
15,762トン199.9メートル27.0メートル26.50ノット32,640馬力777名100台4基
太平洋フェリーホームページより

こちらは、車の乗り入れはドライバーと同乗者は別に乗船する事になる。

それぞれルームカードキーを預かり部屋で待ち合わせになった。同乗者は飛行機に乗るときのようにフェリーまでつなぐ長い通路を渡り乗船する。

レストランや売店は開店時間が決まっており、その時間帯に利用することになる。レストランがあるため、食品の自販機やお皿等はない。広く映画も観られるような客船なのだが、だからこそか電子レンジ、ポットは一台となっている。広々としたフリースペースで海を見ながらくつろげる。夏休み期間、お盆間近の為利用者は少なくはないが、大浴場はもちろん海を眺めながら入れる。開放感と同時にお風呂にも波を感じる事ができた。

部屋は選べるので、都合に合わせて選択すると快適な船旅になりそうだ。

今回のそれぞれのフェリーは、片道約20時間前後をゆっくりと、くつろぎながら移動できるのが心地よく、時間をかけた旅を満喫している感が味わえた。

フェリーで心地良く過ごす為に、何はなくとも酔い止め薬は必須である。酔いやすい方はこれがないと一転して、気持ち悪くて死にそうな旅になることは間違いない。

時間をかけてゆっくり進む旅。船内は行動の自由度が高い。これからも四国にいるうちはフェリーの旅を大切にしたいと思った。

名古屋港からの帰りは「瀬戸大橋」を渡れるルートを選択。途中下車をして記念撮影。夜のライトアップも見応えがありそうだ。近辺の島にも行けるときに行っておこう。そんな事を思いながら、帰路に着いた。往復長く濃厚な夏のひとときの旅路。

雲間に光る

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