あしたはクリスマス、その夜おそくお店にとりのこされた一本の小さなモミの木。ひょろひょろで、少しまがったその木を手に入れたのはまずしいひとりの男の子でした。
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クリスマスイヴはとくべつな夜。すばらしいきせきがおこります。
男の子はイヴの夜、デパートのあかるさや あたたかさにさそわれて、クリスマスの すてきなかおりが ただよう店内へ。
売れ残った小さなモミの木は、ひょろひょろして見栄えもよくありません。今夜はイヴだし、もう閉店だと、店員さんは男の子にモミの木をくれました。
このところ、男の子は鉄道橋の下に大きめのダンボールばこで眠っているのです。
男の子は、モミの木を見てにこにこしています。
とおりかかったひとが、コインを1まいくれたので、男の子は、キャンドルとマッチを買いにいきました。
そして、小さなモミの木の枝に、キャンドルをゆわえつけたのです。
夜もおそくなると、橋の下でねむる人たちが、ひとり、またひとりと、もどってきました。
キャンドルの灯るツリーを囲んでバンドネオンひきのおじいさんが奏でます。クリスマスのしらべにあわせて、列車のゴトゴト通っていく音が、ときおり、音色にまじります。いつしかみんなは歌っていました。
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何日か後、カサカサになった小さなモミの木にお別れを言い、男の子は別のところへうつることにしました。
モミの木は道路そうじのおじさんに集められ処分されそうになりますが、おじさんは、あおあおとした枝があることに気が付き、ためしに公園のすみにうえてみました。
何年かたち、もう小さなモミの木ではなく、大きいとはいえないけれど、じょうぶなねっこがしっかりとのびて、公園で過ごすみんなを見ながらきもちよく、えだをひろげています。
—fin—
このようなストーリーでした。
モミの木にキャンドルをゆわえつけて灯しているところを描いてみました。この本は次回、読んでこようと思っています。
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