少しの空き時間があったので、いつもとほんの少しだけ立ち寄る位置を変え、夕暮れの日差しの暖かさが残る防波堤に座ってみた。

ぽつり、ぽつりと離れたところに人が見えたけど、車や雑踏の生活音があまり届かないところみたい。
ただぼんやり過ごすのにいいところを見つけた、と眺めていた。

防波堤のすぐ下にあるテトラの周りには同じような色合いの空き缶がたくさん落ちていた。そういえばなんのジュースかな、とかそんな事も思い浮かんで。
ここで曲を聴くのもいいなと思いついた。景色と曲と波の音を合わせてみたらどうだろう。
♪
少しの間流れる音楽は、景色に溶け込み今日の柔らかい風に包まれていた。どこまで届くだろう、こんなところで流れると思っていただろうか。
普段はしないけど所在地を改めて表示してみた。
曲に波の音が重なってもそれはそれで似合っているかも。なんて思いながら。

夕方は犬のお散歩ラッシュ。
ご近所だったら、きっと毎日ここを歩くだろうな。
一日のうち、時間でいったら僅かなのに、こんなふうに過ごした風景は記憶に残りやすい。
帰り際、防波堤の階段を降りると、海岸の草地に数種の花が咲いていた。


ノイバラとハマエンドウ。
紫の花の葉はえんどう豆にそっくりで、蔓がくるりと巻き、群生して咲く様子はどこか楽しげだった。
その近くには、野生のバラで原種でもあるノイバラが少しだけ。
可憐な淡い色が、草原をそっと明るくしていた。


いい風景に出会えて嬉しかった。
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