絵本の見開き。こんなところにも文化の違い

essay

わたしがつくるにくまんがだいすきな、ジェイミーとデニスへ

リリのぼうけんを書くことを思いつかせてくれたサイモンへ

今回は “にくまんのレシピ” がついていた絵本を見つけたので、これになったのですが、海外の絵本を読んでいると、このような作者のことばが載っていることが多いです。

「○○に捧ぐ」といった形で、作者が家族や子ども、友人などに一言。

絵本を作った動機や背景を説明する短い文。
読者や子どもたちに向けて「どうしてこの物語を書いたか」「何を伝えたいか」など、たいていひとこと言葉が添えられている。

短いひとことですが、作者の想いも載せることで、読者もその本に一歩近づけ、気持ちが寄せやすくなるのかな、と。この絵本に記載してあったレシピをメモしておこう。と再び開いたときに思ったのです。

文化、美意識の違いなのでしょうか。日本の絵本ではこのような一言は見かけないかも。代わりは“あとがき”のようなものかな。にじませと解釈の自由。多くを語るは野暮で、余白から感じ取ること。本文だけで完結するものが多く、作者の動機や思いは読者が推測する形かな。

欧米は経緯の透明性や共有。読者に作者像や意図を伝える文化が強くて、背景も含めて物語を味わう流れがあるように感じます。

〈にくまんの皮〉

  • 薄力粉 300グラム
  • ドライイースト 小さじ1
  • 砂糖 小さじ1
  • サラダ油 大さじ1
  • ぬるま湯(40度くらい)140ミリリットル    [分量外]サラダ油 少々 薄力粉 少々

〈にくまんの具〉

  • しょうが ひとかけ
  • にんにく ひとかけ
  • 小ぶりのたまねぎ 半分
  • 小ねぎ 2本
  • にんじん 2センチ分くらい
  • 豚ひき肉 200グラム ほかの肉でもOK 小さじ1
  • 紹興酒 小さじ1
  • しょうゆ 小さじ1と半分
  • 豆鼓醤 大さじ1
  • 海鮮醤 甜麺醤でもOK 小さじ1と半分
  • オイスターソース 小さじ1と半分
  • 砂糖 小さじ半分
  • 白こしょう 少々
  • ごま油 小さじ半分
  • コーンスターチ かたくり粉でもOK 小さじ4分の3
  • サラダ油 大さじ1

同じアパートにすむ6人のおばあちゃんがそれぞれの国の料理を作っています。

だけど、材料にたりないものがひとつずつ……。

そこで、リリがアパートのかいだんをいったりきたりのだいかつやく!

さあ、おいしくてしあわせいっぱいのできたてほやほやをめしあがれ。

このアパートには世界各地の人が住んでいました。

ポーランドのピエロギ、ジャマイカのビーフ・パティ、メキシコのタマレス、イタリアのラビオリ、レバノンのファティール、チャイナのにくまん

みんなでたりない材料を分け合って、それぞれの国の料理を作って持ち寄って、外庭でパーティがはじまりました。

早速、はじめてにくまんのレシピを見て作ってみました。生地の膨らみは、こんなものかな?もう少し膨らんだらいいのかも。と思いながら具も詰めて蒸して。

これからホカホカなお料理で温まりたくなる季節。また作ろう。レシピメモがてらここに。

メリッサ・イワイ 作 アメリカの絵本作家 絵と文の両方を手がける
横山和江 訳 

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