絵金祭りを訪れる

高知・赤岡の絵金祭りを訪れた。

ろうそくの灯りの中で公開される、おどろおどろしくも妖しい絵金の芝居絵屏風。揺れる灯りが人物の表情や緊張感をより際立たせ、美術館で鑑賞するのとはまた違う魅力があった。町全体を展示空間として楽しめるよう工夫された景観と、歴史ある町並み。

蒸し暑い夏の夜、幕末の芝居絵をろうそくの灯りで眺め、説明を聞いていると、ヒヤリとした怪談話を楽しんでいるような気分になる。

また、地元の方が甚平ではなく、ごく自然に浴衣を着こなしている姿が粋でもあるし、この町並みに馴染むからなおさら。

日が暮れるにつれ、ろうそくや提灯、灯籠に次々と灯りがともり、人々の熱気と蒸し暑い夏の空気が町を包み込む。昼間とはまた違う表情を見せるお祭り仕様の赤岡の町は、幻想的だった。

空には三日月。夕方のまだ明るい空にうっすらと見えていた月は、日がすっかり沈む頃には、お祭りの灯りとともにはっきりと輪郭を表していた。

お祭り通りの帰り道、行きにも気になっていた、和装屋さんの前で足が止まった。帯とともに浴衣を購入し、帰り道では打ち上げ花火も観ることができた。


〜絵金祭りメモ〜
今回訪れて、あとから知ったこと。

絵金(弘瀬金蔵)は、江戸で狩野派を学んだ絵師。
芝居絵は、歌舞伎や人形浄瑠璃の名場面を描いたもの。
忠臣蔵だけでなく、修羅場や流血、人間の情念を描いた作品も多い。
ろうそくの灯りで鑑賞するのは、絵金祭りならではの大きな特徴。
絵金祭りは江戸時代から続く夏祭りで、当時の文化や風情を今に伝えている。
江戸時代には夏に怪談や怪談歌舞伎が人気で、蒸し暑い夜に少し怖いものを楽しむ文化もあった。

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